カスタマーエクスペリエンスマネジメント (CXM) とは

カスタマーエクスペリエンスマネジメントとは、顧客中心のビジネス文化を生み出しサポートするための戦略、テクノロジー、プロセスを表すものです。

デモを依頼
目次
カスタマーエクスペリエンスマネジメントが重要である理由  カスタマーエクスペリエンスマネジメントの 4 本の柱  カスタマーエクスペリエンスマネジメントソフトウェアとは CXM ソフトウェアがもたらすメリット  CXM と CRM の違いは? CXM プラットフォームの機能  ServiceNow CSM を使ったカスタマーエクスペリエンスマネジメントの管理 

企業は歴史の大半の期間を通じて、顧客に対して自己中心的なアプローチを取り、「ビジネスに取って良いことはなにか」を第一に考えてきました。 すべては製品、流通、製造が中心で、顧客は考慮されることさえほとんどありませんでした。 ところが、デジタル情報技術の出現と普及により、こうした姿勢は一変しました。 今日の購買者は、企業による対応を待つだけでは満足しません。取引相手に選んだ企業において、より戦略的で支配的な立場を得ることを求め、それが得られない場合には否定的なフィードバックをソーシャルプラットフォームに公開することもできます。

つまり、私たちは顧客革命の只中におり、業界全体の成功と失敗の主導権は企業の手を離れ、クライアントがしっかりと握っているのです。 判断力のある企業は重点を設定し直し、「顧客に取って良いことはなにか」を考えています。 カスタマーエクスペリエンスマネジメント (CXM) ソリューションは、顧客をビジネスの中心に置き、エンドツーエンドのカスタマーエクスペリエンスを他の何よりも優先することで、あらゆる規模の企業がこの問いに答えられるよう支援します。

 

すべて展開 すべて折りたたむ カスタマーエクスペリエンスマネジメントが重要である理由 

ビジネスの成功を評価する測定基準は数多く存在しますが、そのほとんどは他のすべての指標を推進するただひとつの包括的な成功指標、すなわち収益に行き着きます。

カスタマーエクスペリエンスマネジメントも同じです。前述したように、現代の顧客はより積極的な役割を果たしたがっています。彼らには多くの情報と豊富なテクノロジー経験があり、自分のニーズを伝えるために自由に使えるツールも持っています。顧客のこうした声高で熱心な側面を無視する企業は、自ら危険を冒しています。カスタマーエクスペリエンスの状態は、企業が生み出す収益に直接影響を与えるのです。 その理由は、カスタマーエクスペリエンスは購買者と販売者の関係の上に築き上げられるものだからです。CXM テクノロジーはデジタルトランスフォーメーションをサポートし、スマートテクノロジーでカスタマーサービス、カスタマーエンゲージメント、顧客満足を強化します。規模やチャネルを問わず、あらゆる購入者の個別ニーズに合わせて、すべてのタッチポイントをリアルタイムにパーソナライズすることが可能です。つまり、CXM は各購買者の成功をビジネスの最優先事項にしているのです。これによって企業は次のことを達成できます。

顧客ロイヤルティを向上する

企業にとって、ロイヤルティが高く、熱心な顧客より価値が高いものはほとんどありません。 顧客ロイヤルティは、本人の生涯価値が高まり続けるだけでなく、友人や仲間に自分の熱意を拡散するブランドエバンジェリストの育成につながります。 効果的なカスタマーエクスペリエンスマネジメントを通じて実現されるパーソナライズされたエクスペリエンスは、カスタマーサービスソフトウェア、カスタマーライフサイクルマネジメント、カスタマーリレーションシップマネジメント (CRM) のソリューション自動化、その他の関連テクノロジーで強化されたシームレスで満足度の高いカスタマージャーニーを生み出します。

インテリジェントなパーソナルサポート、製品推奨、シンプルなフィードバックオプションなどを提供することで、CXM は見込み客と新規顧客を、一貫したポジティブなエクスペリエンスとリピート取引の上に築かれる未来に向けて導きます。

顧客離脱率を削減する

顧客ロイヤルティで顧客維持を強化することが CXM の 主要な目的です。 顧客維持は、ビジネスを中止する顧客の割合 (および顧客の離脱によって失われる将来の潜在的利益) を示す測定基準である顧客離脱率と反比例します。 CXM はどんな顧客が何の理由で離脱しているかを企業が特定できるようにし、潜在的な課題が現実の問題になる前に対処できるようにして顧客離脱率を最小化します。

顧客をより深く理解する

卓越したカスタマーエクスペリエンスを実現する方法を理解することは、顧客に対する理解に大きく依存します。 CXM ソリューションは、すべてのタッチポイントにおける顧客行動から顧客データを取得するのに非常に有効です。 これにより、企業は分析能力を向上して、購買者が誰で、何を求めているかをより完全に把握できるようになります。 さらに個人的なレベルでは、顧客の個人としての成功に焦点を当てる詳細な顧客セグメントを作成することができます。

成功を測定する

CXM は顧客データの取得や分析と併せて、膨大な運用情報の収集や解釈を進めていく機能を企業に提供します。 この機能はビジネスのあらゆる側面を改善する可能性がありますが、顧客に関する取り組みの成功を測定する上で特に重要です。 CXM 分析で、企業は四半期報告を待たずにリアルタイムにエンゲージメントへの取り組みを評価し、軌道修正を行なうことができます。

従来の CRM の次を考える 従来の CRM 機能を超え、シームレスで質の高いカスタマーエクスペリエンスを実現するエンドツーエンドソリューションの優れたメリットを紹介しています。 ダウンロード
カスタマーエクスペリエンスマネジメントの 4 本の柱 

カスタマーエクスペリエンスマネジメントは、購買過程の始まりから、顧客が企業のブランドや製品に触れた後の長期間にまで渡る、全体的なプロセスです。 CXM 戦略を設計するときは、カスタマーエクスペリエンスマネジメントの 4 つの領域に注目することが大切です。

ビジネスが異なれば CXM へのアプローチも異なる可能性がありますが、購買者にパーソナライズされたエクスペリンスを提供するうえでは、次の 4 つの基本的な柱は共通しています。

チーム

恐らくはカスタマーエクスペリエンスマネジメントにおいて最も影響が大きい変数です。適切なチームを配置すると取り組みを的確にまとめあげ、誰もが目標達成に向けて行動できるようになります。 完全に顧客志向のチームがなければ、他の CXM の柱も持ちこたえられません。

ツール

ツールは顧客中心という高尚な理想を現実のものに変えます。 CXM では、自動化、AI、その他のデジタル先進技術に大きく依存して、カスタマーサービスやサポート担当者の対応範囲と能力を拡大します。

Process

カスタマーエクスペリエンスマネジメントを成功させるために必要なことを完全に理解したうえで取り組みを始める企業はありません。 適切なカスタマーエクスペリエンスプロセスの開発には、綿密な計画、マッピング、プレイブックの作成、その他の関連タスクが欠かせません。 同様に大切なのが継続的な文書化です。うまくいったことやうまくいかなかったこと、その他の重要な教訓を記録しておくと、企業では取り組みが失敗したときには前の段階を「リロード」し、成功したときにはポジティブな成果を再現することができます。

フィードバック

最後に、顧客からフィードバックを受けるチャネルを開いておくのは CXM を強化する大切な要素のひとつです。 カスタマーエクスペリエンスマネジメントは購買者との直接的なやり取りを可能にするため、企業では製品、サービス、アプローチを継続的に洗練して、取引を継続してくれる人々のニーズにより的確に応えられるようになります。

カスタマーエクスペリエンスマネジメントソフトウェアとは

カスタマーエクスペリエンスマネジメントは、カスタマーエクスペリエンスをビジネスの主要な焦点とするためのさまざまな要素すべてに関連する、包括的な用語です。 カスタマーエクスペリエンスマネジメントソフトウェアは、ブランドがこのアプローチのサポートを強化するのに使用できる、一連のツールです。

CXM ソフトウェアを使うと、企業は顧客とやり取りする方法をさまざまなチャネル全体に渡って測定し、改善することができます。 これらのツールは、Web サイト、モバイルアプリ、音声アシスト、チャットボットなどで、顧客がどうやり取りをしているかについて企業が理解を深められるよう設計されています。 また、カスタマージャーニーの改善、プロセスの簡素化、データに基づいた意思決定などを行なう機会を企業が特定するうえでも役立ちます。   

 企業における CXM ソフトウェアの最も一般的な活用方法としては、顧客からのフィードバック収集、チャネル全体での一貫したエクスペリエンスの提供、データの収集と分析、カスタマージャーニーを簡素化するためのガイドやマニュアルの作成があります。 

 基本的に、CXM ソフトウェアを使うと、企業は現在の顧客や潜在的な顧客とのやり取りの方法をより的確にコントロールし、すべてのやり取りとタッチポイントを完全に透明化して把握しながら全体的なカスタマーエクスペリエンスを向上させることができます。 

CXM ソフトウェアがもたらすメリット 

CXM ソフトウェアは CXM 戦略の他のあらゆる側面をサポートするために存在します。 したがって、もたらされるメリットと利点は上に記載したことの多くを明確に反映しています。 より具体的には、CXM ソフトウェアは次の方法で企業の顧客関連業務を改善します。 

顧客フィードバックを分析してインサイトを活用する

効果的な CXM ソフトウェアは顧客フィードバックのプラットフォームとして、企業がインサイトを購買者から容易に直接収集して分析できるようにします。 このフィードバックは、情報に基づく意思決定を行なうためのデータ基盤を構築するうえで計り知れない価値があることに加えて、もうひとつのメリットをもたらします。企業が顧客フィードバックに耳を傾け、それに従って行動することに注力していると知った顧客は、他者に積極的にポジティブな経験を共有して、その企業と取引を繰り返すようになるのです。

人工知能 (AI) や機械学習 (ML) を活用する

CXM の中核には AI や ML の機能があり、システムが相互に結びついた膨大なデータを処理して、インテリジェントでパーソナライズされたエクスペリエンスを大量の顧客に個別に提供できるようにします。 これらのテクノロジーによって、担当者がデータの解釈をしなくても、システムが顧客の意図や好みを理解できます。

カスタマーサービスの一貫性を高める

顧客とのやり取りをカスタマーサービスエージェントに完全に依存している場合、タッチポイントによってサービスのレベルが大きく異なってしまう可能性があります。 これでは顧客対応の方法として効果がなく、売上の減少や評判の低下による損失につながる可能性があります。 CXM はこうしたやり取りの中心に単一のソフトウェアソリューションを配置することで、企業における一貫性のないカスタマーサービスのために、カスタマーエクスペリエンスに悪影響が及ぶ懸念が払拭されます。

複数プラットフォームでのエンゲージメントを容易にする

最新のカスタマーサービスにとって、大きな目標はオムニチャネルエクスペリエンスです。 オムニチャネルにより、顧客はチャネル間を自由に移動しながら、会話の流れを失わずに企業とやり取りすることができます。 CXM ソフトウェアは、重要な顧客データと購入データを一元的に維持管理し、サービスエージェントが簡単に取り出せるようにしてオムニチャネルエンゲージメントをサポートします。

あらゆるやり取りをパーソナライズする

CXM ソフトウェアの最も重要なメリットは、恐らくカスタマーエクスペリエンスのパーソナライズ機能でしょう。 単純に言えば、CXM ツールは、あらゆるカスタマージャーニーをそれぞれの購買者のニーズに合わせて調整するのに企業が必要とするインサイトを提供します。 やり取りを完全にパーソナライズすると、企業ではポジティブで個別化したカスタマーエクスペリエンスを、例外ではなく規定のものとするのに必要なリソースを得ることができます。

CXM と CRM の違いは?

機能の点で CXM と CRM には重なる部分がありますが、この 2 つのプラットフォームは大きく異なります。 
  
カスタマーリレーションシップマネジメント (CRM) は顧客との関係を管理するのに使うシステムやプロセスのことですが、企業の販売やマーケティングのニーズに焦点を当てています。 CRM は完全なエンドツーエンドのソリューションは提供せず、顧客管理に対しては、より受け身的なアプローチです。 それに対して、CXM はより広範囲なカスタマーサービスマネジメント (CSM) 戦略の一部で、営業、マーケティング、サポートのチームすべてを一体化し、企業全体に渡るあらゆるチャネルを通じたカスタマーエクスペリエンスに関する取り組みを調整する統一プラットフォームを提供します。 CXM を備えた CSM は、単に顧客リレーションシップ機能を使って営業活動を改善するだけにとどまらない、真に顧客中心のアプローチを実現します。

ただし、CRM ソリューションの導入にブランドが使っているシステムやプロセスの多くは、カスタマーエクスペリエンスの向上にも使用できます。 カスタマーエクスペリンスを向上する取り組みを表すのに両方の用語を使っているブランドが多いのはこのためです。

CXM プラットフォームの機能 

カスタマーエクスペリエンスマネジメントプラットフォームは、企業と顧客の間のあらゆるタッチポイントに関するデータの収集、整理、分析にブランドが使えるツールの集まりです。 これにより、企業は Web サイトやモバイルアプリなど、さまざまなタッチポイントに渡って反復されている作業の管理や自動化もできます。 CXM プラットフォームの機能はベンダーによって異なりますが、最も強力なオプションには次のものがあります。 

  • オムニチャネルでのカスタマーエンゲージメント   

  • ライブチャット、メッセージング、ソーシャルメディアマーケティング   

  • 訪問者のトラッキングと分析   

  • AI を活用したチャットボットと自動化機能

ServiceNow カスタマーサービス管理 (CSM) の価格設定 ServiceNow Customer Management の価格設定はこちらをご覧ください。問題を迅速かつ積極的に解決するために、カスタマーサービスを他のチームと結びつけます。 見積もりを依頼
ServiceNow CSM を使ったカスタマーエクスペリエンスマネジメントの管理 

顧客にとって良いことは何でしょう。 それは、個別のニーズに応じた効果的なソリューションを提供するパーソナライズされたエクスペリエンスです。 こうしたエクスペリエンスを実現するには強力な CXM ソリューションが必要です。 カスタマーエクスペリエンスを大規模に管理するなら、最も強力なソリューションは ServiceNow Customer Service Management です。

受賞歴のある Now Platform® を基盤とする Customer Service Management は、高度なカスタマーサポートとカスタマーエンゲージメントの機能を組み合わせ、企業が顧客に関する理解を深め、すべてのチャネルに渡ってカスタマージャーニーを向上させられるよう支援します。複数チャネルにおける顧客からのデータとフィードバックを収集し、反復タスクを自動化し、一貫したエクスペリエンスを生み出し、コストの削減を目的とするデジタル関連の取り組みすべてのパフォーマンスを測定しながら、シームレスなカスタマーエクスペリエンスを実現します。そのすべてを通じ、あらゆる購買者を唯一の重要顧客として扱いながら顧客基盤を拡大します。

ServiceNow の Customer Service Management について詳しくは、今すぐ CSM のデモをご覧ください。カスタマーエクスペリエンスマネジメントをビジネスの継続的な成功を実現する推進力にしましょう。

カスタマーサービスをスムーズに

成果重視のソリューションこそが、企業の能力をフルに引き出します。

CSM のデモ お問い合わせ
リソース 記事 ServiceNow とは カスタマーサービス管理 (CSM) とは? CRM とは? アナリストレポート CORINIUM: The Customer Experience Perspective (CORINIUM:カスタマーエクスペリエンスの視点) CCW Digital が提供する Future of the contact center: A forecast Forrester による調査:The Total Economic Impact of ServiceNow Customer Service Management (ServiceNow カスタマーサービス管理 (CSM) の総合的な経済効果) データシート 注文管理の効率を向上 Agent Experience in Customer Service Management (カスタマーサービス管理 (CSM) でのエージェントエクスペリエンス) Omni-Channel in Customer Service Management (ServiceNow カスタマーサービス管理 (CSM) でのオムニチャネル) 電子書籍 新たな顧客期待の時代を切り抜ける カスタマージャーニーを「次のノーマル」に向けて進化させる カスタマーサービスリソースをつなぐ 5 つのベストプラクティス ホワイトペーパー How CSPs can connect the dots for a better customer experience (CSP が点と点を結んでカスタマーエクスペリエンスを向上させる方法) Service Assurance in the 5G Era – Report – TM Forum (5G 時代のサービス保証 – レポート – TM フォーラム) ESG の活性化ユースケースガイド