慣れないワークフローや組織のポリシーに従ったり、異なる職場文化に適応したりと、新しい仕事に就くことは気力を削ぐ経験になりがちです。また、ヒューマンリソース (HR) 部門や組織のリーダーにとっては、新規採用者を完全に溶け込ませ、生産性を高め、法的要件に準拠させることも同様に大変な仕事です。
従業員オンボーディングは、これらの課題に対処するための構造化されたアプローチを提供します。新規採用者を組織に順応させるための包括的な計画を提供することで、組織はポジティブでインパクトのある従業員エクスペリエンスを提供し、従業員ジャーニー全体に適切な方向付けをすることができます。
あらゆる業界のほぼすべてのビジネスに何らかの形でオンボーディング手順が組み込まれていますが、当然のことながら、オンボーディングプロセスの詳細は組織によって異なります。一貫しているのは、生産性の観点からだけでなく、組織文化や価値観に関しても、新規採用者を短期間で適応させられる効果的なオンボーディングプロセスの導入が重要であるということです。
採用プロセスと面接プロセスを除き、オンボーディングは新規採用者と組織との最初の接点です。それだけでなく、これは正規従業員としての最初のやり取りになります。
第一印象は重要です。その体験が新規採用者の期待に沿うものでなかったり、またはオンボーディングプロセスがわかりにくかったり、整理されていなかったり、正式なスケジュールやプロセスが欠けていたりすると、ネガティブな雰囲気が生まれ、それが雇用期間の最後まで続いてしまいかねません。逆に、効果的なオンボーディングプロセスは、新規採用者が仕事になじみ、組織文化を理解して受け入れ、有益な関係を築き、目標と期待を明確にすることができます。
最後に、オンボーディングプロセスの最適化により、新規採用者の組み入れに伴う HR 部門の負担が軽減され、この重要な部門が他のタスクに集中する時間を増やせるようになります。
オンボーディングには多くの要素があります。含まれる要素すべてをより正確に理解して定義するために、多くの組織が「5 C」フレームワークを採用しています。このモデルは、効果的なオンボーディングプロセスに貢献する 5 つの重要な領域を示しています。
コンプライアンスは、従業員を新規採用する際に必要な法務タスクと管理タスクを完了することなどを指します。これには、事務処理、セキュリティバッジの設定、重要な機器のプロビジョニング、組織ポリシーの概要説明などが含まれます。正式なオンボーディングプログラムを導入していない組織であっても、合法的に業務を遂行するにはコンプライアンスを確保しなければなりません。とはいえ、多くの組織は初日に事務処理とロジスティクスのみに集中してしまい、優れた第一印象を与える機会を逃しています。
明確化とは、新規採用者が自分の役割、責任、期待されるパフォーマンスを確実に理解できるようにすることです。新規採用者は、自分に期待されていることや、会社のルールやポリシーに沿った行動を取る方法を理解する必要があります。この明確性を確立することは難しく、マネージャーが忙しくて質問に頻繁には答えられない場合はなおさらです。
自信とは、新規採用者が自分の成功する能力を確信できる度合いを指します。自信は心の状態ですが、組織はオンボーディングで萎縮させるような体験ではなく、気分を高揚させるようなものにすることで、自信に影響を与えることができます。新規採用者の価値を強調し、その独自の視点を共有できるようにする環境になっていると、パフォーマンスと定着率が向上します。早期に自信を高めることで、ポジティブで長期的な従業員エクスペリエンスの土台を築けます。
有意義なつながりを作ることで、新規採用者がチームや組織の一員になれたことを実感できるようになります。従業員が同僚やマネージャーとのつながりを感じると、仕事に向き合う姿勢が強まり、自ら支援を求め、積極的に貢献するようになります。要するに、職場での人間関係が密接だと仕事の満足度と従業員のエンゲージメントが高まります。オンボーディングでは、対面で実施する場合でもバーチャル環境で実施する場合でも、関係構築アクティビティに重きを置き、孤立感を防ぎ、共同体意識を育む必要があります。
オンボーディングは、ストーリー、慣例、リーダー層とのミーティングを通じて組織文化を共有する重要な期間です。また、新規採用者がもたらす新鮮な視点によって、文化を形成し洗練させる機会でもあります。文化に関するリソースを提供し、フィードバックの手段を用意することで、新規採用者が受け入れられたと感じられるようになり、組織の未来を形作ることに貢献できるようになります。
すべての業界や市場にわたって使用されている標準化された単一のプロセスは存在しません。代わりに、固有のニーズと自組織の新規採用者のニーズに対応するオンボーディングプロセスの開発は、各組織に任されています。とはいえ、多くのプロセスが従う一般的な流れはあります。この流れには、次の各ステージが含まれています。
オンボーディングプロセスは、採用候補者が採用のオファーを正式に受諾して採用プロセスが終了した時点から始まります。新規採用者がチームに加わることを確約したら、採用担当マネージャーは、HR 部門に採用を通知し、その採用者と相談して雇用開始日を取り決め、採用者に署名して返却してもらう内定通知書を準備します。
次に HR 部門は、新規採用者が関連書式と、雇用条件を記載した文書をすべて確実に受け取れるようにします。
組織が新規採用者のオンボーディングを行う際に、いくつもの困難に直面することがよくあります。オンボーディングプロセスが整理されておらず一貫性がないと、新規採用者が歓迎されていると感じ、自信を持ち、短期間で生産性を発揮できるようにするための取り組みが損なわれる可能性があります。効果的なオンボーディングを実現するには、HR 部門が教育や能力開発のチーム、部門責任者、その他のステークホルダーと協力して、ロールベースのテンプレートを作成します。マネージャーはそれらのテンプレートを使用して、従業員個別のオンボーディング計画を構築できます。
重要な事務処理タスクの大半を最初の 1 ~ 2 日で片付けてしまえば、マネージャーは最初の週の残りのほとんどを新規採用者が自分の役割と会社に慣れるようサポートすることに費やせます。雇用開始後 1 週間ほど経ったら、採用者のマネージャーは本人とのミーティングを予定に入れ、感想、フィードバック、質問を求めます。
この時点で、HR 部門は、採用者が必要な書式と文書をすべて受け取って記入し終えていること、生産的に業務を行うために必要なあらゆるリソースにアクセスできることを確認する必要があります。
採用者が組織内での自分の役割に慣れ始め、業務手順が身についてきたら、マネージャーは採用者の仕事の質を評価できるようになります。採用者とのミーティングを設定し、関連するパフォーマンス測定基準を検討して、フィードバックを提供し、問題解決に取り組み、採用者が懸念を抱えている場合は対応します。
このステージでは、継続的な改善を習慣付けることが重要です。採用者が慣れたタスクに安住しないようにし、さらなる成長に向けて動機づけします。可能であり適切と思われる場合は、採用者に上級トレーニングコースを受講させ、本人が職務に関連する教育オプションを求める場合はサポートします。
3 か月経つと、採用者は仕事に慣れ、自分のパフォーマンス測定基準を理解しており、組織文化や価値観にも精通して、マネージャーや所属チームのメンバーとの連携方法も把握できているでしょう。この時点で、多くの組織ではオンボーディングプロセスが終了したと感じます。
このマイルストーンとして、採用者とのミーティングを設定して進捗状況を確認し、さらにフィードバックを収集します。採用者は、オンボーディングプロセスを経て、今後の採用プロセスの改良や改善に役立つ貴重なインサイトを持っている可能性があります。組織によっては、オンボーディングプロセスの締めくくりとして、これに替えて 6 か月目に振り返りとレビューを設定してもよいでしょう。
1 対 1 のガイダンスが不可能な場合は、特別なグループトレーニングセッションも同様に効果的です。多くの場合、外部の専門家や実績のある社内の専門家が指導する正式なトレーニングでは、従業員は特定のスキルや知識領域に関する深いインサイトを得ることができます。このようなトレーニングは、深い専門知識を学ぶことができ、従業員に多様な視点を与え、特定の開発ニーズに対応します。
オンボーディングは、オフィス勤務従業員と同様にリモート勤務者にとっても重要であることに留意しておきましょう。オフィス勤務をしない可能性のある従業員を採用する場合は、必要なすべてのハードウェアを確実にその従業員に送付し、ビデオ会議を設定して、重要なポリシーの説明、目標の意識合わせ、リーダー層やチームメンバーへの紹介を行います。新規採用者の組織での初日には、採用者から質問があった場合に担当者がオンラインで回答できるようにします。
リモートワークでは、特に組織文化の社会的側面や対人関係の側面に関連して、複数の潜在的なハードルが生じます。リーダー層、HR 部門、チームメンバーには、新規採用者がチームの一員であると感じられるように、特に力を注ぐことが求められます。
本質的に、効果的なオンボーディングとは、ポジティブで有益な、長期にわたる従業員エクスペリエンスの基盤を築くための戦略に他なりません。ただし、この説明自体は単純に思えるかもしれませんが、実際には複雑な統合型プロセスで、組織全体でのコラボレーションが不可欠です。具体的には、情報技術 (IT) チームと HR 部門が連携し、従業員オンボーディングを通じて、個々の新規採用者に、定着した生産性の高いチームメンバーとなるために必要なものがすべて提供されるようにする必要があります。
従業員オンボーディングにおいて IT 部門と HR 部門の的確な連携を促進するための 5 つのステップをご紹介します。
職場戦略を成功させるには、IT 部門、HR 部門、施設部門の間での文化的変革が必要です。理想的には、チームの編成と連動して新たなスキルと人材を定義し、チーム間でのアイデア出しとワークフローの改善を促進します。
シェアードサービス部門の能力、人材、責任を強化する必要があります。組織は分散型のサービスデリバリモデルを再設計して、仕事関係の向上を促進し、エクスペリエンスのゴールとの整合性を取ろうとしています。「ピープルイネーブルメント」の範囲も、定型的な処理業務の枠を超えて進化しています。
職場の変革は、テクノロジー、人材、変化の組み合わせです。組織は、テクノロジーを監視するチームをトレーニングして、新しいテクノロジーを確実に実装できるよう能力を強化する必要があります。専門的なスキルを持つデータサイエンスチームやその他のチームが IT 部門内に追加され続け、UI だけでなく、テクノロジーがユーザーにどのような感覚を与えるかということにも注目しています。アーキテクチャ設計、HR のモバイルソフトウェア、アプリケーション、システムに注力することで、職場に接続型コンポーネントが生まれ、それに伴って従業員のオンボーディングエクスペリエンスも創出されます。
各組織は、クラウドベースのソリューションの導入を他のテクノロジーの導入と並行して徐々に進め、エンタープライズグレードのデジタルシステムを実現しています。IT 部門と HR 部門は、テクノロジーがビジネス上の問題に対処できるだけでなく、オンボーディングプロセス中の従業員の期待にも応えられるようにすることの優先度を高めていくでしょう。
新規採用者にとって、オンボーディングは難解で混乱を招くプロセスになることがあります。同時に、新規採用者は、物わかりが悪いように見えたり、困っているように見られたりしたくなくて、マネージャーやチームメンバーに質問することをためらう場合があります。
統一されたデジタルエクスペリエンスプラットフォーム形式の従業員セルフサービスオプションは、従業員の一般的な質問に対して、一貫性のある使いやすいソリューションを提供します。これは従来の新規採用者をサポートしてきた雑多なウェブサイト、ホットライン、ポータル、その他のチャネルに比べ、さまざまなメリットをもたらし、従業員はより均一な HR エクスペリエンスを得られ、ニーズに対する解決策を 1 か所で見つけられます。
自動化は、オンボーディングエクスペリエンスを改善するための不可欠な要素であり、データの精度を高め、効率を向上させ、重要なワークフローを確立しながらミスを削減できます。しかし、タスクの自動化と個々の問い合わせへの対応だけが従業員のオンボーディングエクスペリエンスを変革する要素というわけではありません。
オンボーディング期間は、他のほぼどの時期にも増して、従業員が組織に在籍している期間の雰囲気を左右する可能性があります。HR 部門と IT 部門が連携することで、オンボーディング中のそうした影響の大きな瞬間を見直し、自動化やその他の関連テクノロジーでサポートされた、ポジティブで従業員エクスペリエンスを重視したプロセスを提供できます。
自分の職務や責任のあらゆる側面を初日に完全に理解できる新規採用者はいません。彼らは仕事をしながら学び、学ぶに従って向上していきます。同様に、HR 部門と IT 部門の連携による従業員オンボーディングの改善も、継続的に反復されるプロセスでなければなりません。
向上の傾向を維持するには、新規採用者と既存の従業員が懸念を共有して提案を行えるフィードバックチャネルを確立します。シンプルなパルスサーベイから活発なフォーラムに至るまで、そうしたオプションはオンボーディングエクスペリエンスを最適化する上で必要なインサイトを得るのに役立ちます。
オンボーディングは難しいプロセスである必要はありません。効果的なオンボーディングソリューションを構築した組織をいくつかご紹介します。
Asurion 社は、高評価のさまざまなサービスを通じて、世界中の 3 億人を超える人々のためにテクノロジーの可能性を引き出しています。同社は非常に競争の激しい労働市場で事業を展開しています。人材を惹きつけて定着させるには、優秀な採用チームに投資し、オンボーディングプロセスを通じて新規採用者に卓越したエクスペリエンスを提供することの重要性を強調する必要があります。
Asurion 社は、そうしたニーズを満たすために ServiceNow Enterprise Onboarding and Transitions を選択しました。ServiceNow は、一元化された従業員サービスセンターで採用マネージャーに直感的なオンボーディングチェックリストを提供し、タスクの管理とアサインや、新規採用者へのターゲットを絞ったコンテンツの配信を支援しています。新規採用者は、従業員セルフサービスオプションにアクセスして、一般的な問題の解決策を見つけることができます。
ServiceNow の HR チームは ServiceNow HR サービスデリバリソリューションを使用しています。ポジティブなオンボーディングが従業員と組織の間に強い絆を生むことを理解しており、従業員に優れたエクスペリエンスを提供したいと考えています。ServiceNow Enterprise Onboarding and Transitions により、手作業から自動化システムへと移行することで、オンボーディングプロセスを加速して簡素化することができました。
今では、オンボーディングの効率が向上しただけでなく、迅速化しています。3 日かかっていた新規採用者のエクスペリエンスが数時間に短縮されたため、新規採用者に必要なものをすぐに提供できるようになり、短期間で初日の不安を解消し、自信と経験を深めて貢献できるようになりました。
ServiceNow Enterprise Onboarding and Transitions は、新規採用者を組織に融合させるための強力なブループリントです。Enterprise Onboarding には次のようなメリットがあります。
- 従業員エクスペリエンスの向上
円滑なオンボーディングプロセスは、組織に対する新規採用者の認識に大きな影響を与えます。Enterprise Onboarding は、歓迎の意が伝わり、取り組みやすいエクスペリエンスを提供することで、新規採用者が自分が大切に扱われ、受け入れ準備が整っていると感じられるようにします。
- 組織全体の生産性の向上
新規採用者は、初日から必要なツール、リソース、トレーニングを提供されると、より短期間で自分の役割に貢献できるようになります。Enterprise Onboarding は、停滞時間を最小限に抑え、生産性を発揮できるようになるまでの期間を短縮します。
- 重要な瞬間の設計
Enterprise Onboarding で、オンボーディングジャーニーの重要な瞬間を意図的に設計できます。歓迎のアクティビティからフィードバックセッションまで、すべてのやり取りを慎重に計画して、長く心に残る印象を与えることができます。
- ターゲットを絞ったコンテンツ
新規採用者のエンゲージメントを維持するには、個人別にカスタマイズされた情報を提供することが不可欠です。Enterprise Onboarding により、従業員の役割、部門、勤務場所に基づいて関連性のあるコンテンツを提供できます。
ServiceNow のオンボーディングソリューションの中核を成しているのが強力な自動化機能です。このアプローチは ServiceNow AI Platform を構築基盤とし、業界トップクラスの人工知能 (AI) に支えられ、従来のオンボーディングのメリットをさらに拡大します。オンボーディングに AI 自動化を導入すると、次のことが可能になります。
- より包括的な採用候補者オンボーディングの実現
自動化によって、雇用開始前から採用候補者のオンボーディングを強化できます。シームレスで分かりやすい応募プロセスで、新規採用者の不安を軽減します。候補者は、専用ポータルから簡単にフォームへ入力したり、ドキュメントをアップロードしたり、更新を受け取ったりできるので、プロセスがよりスムーズで取り組みやすいものになります。
- ワークフローの最適化
従業員オンボーディングでワークフローが自動化されていると、新規採用者に明確な方向性を示して手順をわかりやすくし、重要な初期タスクを完了させるための支援ができます。従業員や HR 担当者が必要な作業を完了すると、システムが次のステップをシームレスに開始し、フォローアップの管理、適切なステークホルダーへの通知、進捗状況の自動追跡などを実行します。
- 事務処理の一元化と簡素化
手作業による書類の処理は新規採用者の負担が大きく、オンボーディングプロセスの進行が遅れる可能性があります。自動化により、単一のオンラインプラットフォームでドキュメントの記入、電子署名、保存が可能になり、紙の書類が不要になります。
- 精度とコンプライアンスの確保
地方自治体や国の規制の遵守維持は不可欠です。オンボーディングシステムを自動化すると、必要なフォームとタスクのすべてを追跡し、何も見落としがないようにして、ミスが起きるリスクを軽減します。HR チームは、ビルトインのチェックリストを活用して進捗状況を監視し、コンプライアンスを維持できます。
- 新規採用者への完全な情報提供
自動化を活用して、勤務開始に必要なすべての情報を新規採用者に提供することができます。組織ポリシーやビジョンステートメントから役割固有のゴールまで、すべてを一元化されたオンラインプラットフォームを通じて共有できます。
- インサイトに富んだレポートの生成
オンボーディングプロセスを手動で追跡すると、時間がかかり、ミスが発生する可能性もあります。自動化されたシステムは、各新規採用者の進捗状況に関するリアルタイムレポートを生成することで、これを簡素化します。HR チームは、完了したタスクやフォローアップが必要な部分を簡単に確認でき、オンボーディングが完全に可視化されます。
新規採用者と組織の両方のニーズに対応するオンボーディングプロセスを設計することは、特に HR 部門が他の職務にも対応している場合、困難なタスクになることは否めません。しかし、適切な戦略があれば、よりスムーズで効率的なオンボーディングエクスペリエンスを確立し、長期的な成功の土台を築くことができます。考慮すべき重要なステップをいくつかご紹介します。
手動でのオンボーディングは時間がかかり、HR チームが手薄になっている状態だと特にミスも発生しやすくなります。オンボーディング機能を備えた HR ソフトウェアに投資することで、定型業務を自動化し、重要なリソースを一元化して、プロセスを簡素化できます。このテクノロジーによって、管理上の負担が軽減するだけでなく、新規採用者のオンボーディングエクスペリエンスも向上し、雇用開始時からサポートされていることを感じられるようになります。
マネージャーは、新規採用者に役割に応じた準備を整えさせ、明確な期待値を設定する上で重要な役割を果たします。適切な準備をすることで、新規採用者の自信とパフォーマンスを高められます。従業員をサポートし、成功に向けた態勢を整えさせるには、次のことを行います。
- 職務定義とオンボーディング計画の整合を取る
新規採用者に具体的なタスク、責務、期待されるパフォーマンスを概説した詳細な職務定義書を提供します。この定義書は、オンボーディングエクスペリエンスの基盤となり、本人がこれから取り組むことを明確に理解できるようにするものです。
- 重要な情報とインサイトを伝える
新規採用者に期待されること、パフォーマンスの測定方法、役割における成功の指標を明確に伝えます。事例やアクションを通じて組織文化を説明し、新規採用者が職場環境に何を期待できるのか理解できるようにします。
- 継続的なフィードバックとサポートの確立
定期的な面談を設定して、フィードバックを提供し、進捗状況を話し合って、質問や懸念事項に対処します。そうしたセッションを活用して新規採用者をサポートしたり、トレーニングの有効性を評価したり、必要に応じてオンボーディングプロセスを調整したりします。
効果的なオンボーディングは、初日、さらには最初の週だけで終わるものではありません。オンボーディングプロセスがどのぐらい続くのか決定します。通常は 6 か月ほどで、理想的には従業員の就業初年度いっぱいです。継続的なトレーニング、パフォーマンス面談、進捗評価を計画して、新規採用者のエンゲージメントを維持しサポートを続けます。
採用のオファーが受諾されてから従業員の雇用開始日までの期間は、ポジティブな初日を迎えるための準備に使えます。事前に完了すべき管理タスクのチェックリストを作成します。雇用開始日、服装規定、予定されている内容などの実務的な詳細を記載した歓迎メールを送信します。新規採用者が来ることを既存のチームに伝え、受け入れの準備ができるようにします。
完璧なオンボーディングプロセスなど存在しません。新規採用者からフィードバックを収集して改善すべき領域を特定し、必要に応じてアプローチを調整します。このプロセスを反復することで、オンボーディングの適切性と効果を維持でき、継続的な改善の取り組みに力が注がれていることを従業員に示せます。トレーニングモジュールの微調整でも、コミュニケーション戦略の改善でも、新規採用者と組織の両方にメリットをもたらす変更は躊躇せず実行します。
新規採用者をチームに溶け込ませることは、帰属意識を高める上で非常に重要です。マネージャーは、積極的な措置を講じて新規採用者がこのプロセス全体を通じてつながりを感じられるようにする必要があります。次のようなことを行うと早く溶け込めるようになります。
- チーム作りアクティビティの開催
オンラインのコーヒーブレイクや対面での昼食会など、非公式なチーム作りアクティビティを計画して、交流を促し、関係を育みます。これらのイベントで、新規採用者がより心地良く同僚と関われるよう支援できます。
- 新規採用者と経験豊富なメンバーのペアリング
チームの関係性や組織文化について新規採用者のガイド役を務めるメンターや「バディ」をアサインします。この担当者は新規採用者の質問に答え、新規採用者が落ち着いて組織になじめるように支援します。
- 会議を安心できる場にする
心地良い、批判的でない環境を作ることで、新規採用者がアイデアを出せるようにします。新鮮な視点に価値があることを強調し、考えを述べるよう促します。ミーティング時に心理的安心感があると、新規採用者が早期に貢献度を高めやすくなります。
最善の努力をしても、オンボーディングが計画通りの効果を生まない場合があります。そのような場合は、再オンボーディングを検討してギャップに対処し、従業員を正しい軌道に戻すようにします。再オンボーディングが役に立つシナリオをいくつかご紹介します。
- 従業員のパフォーマンスが期待を下回っている
新規採用者が期待に応えられないことが続いている場合や、ミスを繰り返しているように思われる場合は、職務定義の見直し、ゴールの再定義、追加のトレーニングやメンターシップの提供などを行います。
- 従業員がやる気がない、または関心を示さない
意欲の低下や熱意の欠如の兆候が現れたら、従業員が精神的に打ちのめされている、または疎外感を抱いている可能性があります。再オンボーディングでは、個人に合わせたサポートなどを行って役割への関心を再度引き出します。
- 従業員が混乱している
新規採用者が自分の責務や組織の手続きについて頻繁に基本的な質問をしてくる場合、十分な初期ガイダンスを受けていない可能性があります。復習トレーニングを実施し、混乱のある領域を明確にします。
- 従業員が孤立している
新規採用者が孤立しているように思われる場合や、チームへの溶け込みに苦労している場合は、追加のチーム作りアクティビティを開催したり、人当たりの良い同僚とのペアリングを検討したりして、融合を深めます。
効果的な従業員オンボーディングは、新規採用者の生産性、エンゲージメント、長期的な定着を確保するために取ることができる最初の最も重要なステップです。ServiceNow HR サービスデリバリ (HRSD) はこのプロセスを簡素化し、組織が管理タスクを自動化し、コンプライアンスを確保して、一貫性のあるオンボーディングエクスペリエンスを提供できるようにします。分かりやすい統合ポータルで新規採用者をガイドします。自動化されたワークフローを使用して、事務処理とプロビジョニングを管理します。リアルタイムで進捗状況を追跡し、従業員がプロセスのどの段階にあるかを正確に把握できます。これらのすべてを通じて、インテリジェントなソリューションと AI を活用した自動化を採用し、すべてを正確に、確実に先に進められるようにします。
従業員ジャーニーを正しく始めましょう。今すぐ ServiceNow のデモをご覧ください。また、ServiceNow による効果的なオンボーディングの詳細については、『ServiceNow Enterprise Onboarding Service Success Playbook (ServiceNow Enterprise Onboarding サービスの成功プレイブック)』をご覧ください。