カスタマーサービス測定基準とは?

カスタマーサービス測定基準は、カスタマーサービスに関する信頼性の高い追跡データと分析データを提供する重要業績評価指標 (KPI) です。

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目次
カスタマーサービス KPI を追跡する目的 顧客満足度の重要な測定基準 更新率 効率性を向上させるための運用 KPI エージェント評価指標 ServiceNow によるより良いカスタマーサービス評価指標と KPI

かつて、企業はカスタマーサービスのパフォーマンスに関して、関連性と信頼性が十分なデータを取得することが困難でしたが、もはやそうではありません。高度なデータ収集技術が利用可能になるにつれ、現代の企業はさまざまなソースから情報を集め、顧客の行動を追跡し、フィードバックを求め、カスタマージャーニー全体を詳細に分析できるようになりました。

ただし、カスタマーサービスを最適化し、カスタマーエクスペリエンス全体を向上させるには、単にデータを収集するだけでは不十分で、そのデータを実用的なインサイトへと落とし込む必要があります。そのためには、最適なカスタマーサービス測定基準を理解することが必要です。

大量のデータが存在する中で、優先的に特定の KPI (重要業績評価指標) に重点を置くことは、簡単ではありません。そのため、特定の測定基準を追跡する理由と、インサイトの作成後のアクションの実施方法を常に重視することが非常に重要です。適切な KPI を追跡して管理することで、カスタマーサービス部門のパフォーマンスが向上し、ビジネス全体にもプラスの影響があります。

 

すべて展開 すべて折りたたむ カスタマーサービス KPI を追跡する目的

カスタマーサービスの主要な目的は、企業全体の主要な目的と同じでなければなりません。その目的とは、カスタマーエクスペリエンスを最適化して、ビジネスを改善することです。そのために、効果的なカスタマーサービスチームでは、3 つの具体的な目標に重点を置いています。

顧客の満足度と維持率の向上

一般に、顧客満足度が高ければ、ビジネスは成功します。顧客の獲得、喪失、維持にかかるコストと利益を定量化することで、サービス指向のタスクとプロセスの中核について、より詳細なインサイトを得ることができます。

顧客の期待に関する重要なインサイトにより、顧客ニーズへの対応が改善され、潜在的な問題への対処と解決が効果的にできるようになります。同時に、カスタマーサービス担当者は、担当業務がビジネスに及ぼす直接的な影響を明確に理解できるようになります。

運用効率の最適化とコストの削減

ビジネスでは、すべてのアクションにコストが発生します。サービス品質に悪影響を与えることなく、カスタマーサービスの提供に伴うコストを削減することは、ほとんどのサービスチームにおける主要な目標です。

カスタマーエクスペリエンスを損なうことなくコストを削減するために、企業は運用効率の向上に重点を置いています。適切な KPI を活用することで、カスタマーサービス効率化戦略の有効性を確認して評価し、必要な軌道修正を行い、企業の成功を最優先事項に位置付けることができます。

エージェントの満足度と有効性の向上

ビジネスの成功に大きな影響を与えるのは、顧客だけではありません。顧客対応を担当する従業員には、感動を伝える力があり、質の高い仕事を提供し、生産性を高める可能性もあります。

カスタマーサービスの成功には、従業員の高い満足度とエンゲージメントが不可欠です。適切なカスタマーサービス測定基準を活用することで、人員配置の問題に事前に対処できます。その結果、従業員のエンゲージメントが向上し、必然的にさまざまなビジネス上のメリットも生まれます。

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顧客満足度の重要な測定基準

顧客の満足度が低い場合、その理由を簡単に見つけられる場合もあるかもしれません。ただし、顧客満足度やそれに関連するさまざまな問題の根本原因は、さほど明確でない場合も増えてきています。以下にあげる測定基準は、カスタマーエクスペリエンスとそれに影響を与える可能性のある要素について、より正確に把握するのに役立ちます。

NPS と CSAT

顧客満足度は、さまざまな要因に左右される複雑な存在ですが、カスタマーエクスペリエンスは、適切な質問をするのと同じく、簡単に理解できることがあります。ネットプロモータースコア (NPS) と顧客満足度スコア (CSAT) は、サーベイベースの測定基準で、実用的なカスタマーインサイトを直接引き出すように設計されています。

NPS は、顧客が企業に対して好意的な口コミをしてくれる可能性を計算する測定基準で、顧客に占めるブランド推奨者と批判者の割合の差を示すものです。一方、CSAT は特定の製品やサービスに対するユーザーの満足度を評価するもので、平均的な回答を算出します。顧客満足度の全体像を把握するには、この 2 つの測定基準を併用することが重要です。

CES

顧客は、ほぼ例外なく、手間がかからないことを好みます。カスタマーエフォートスコア (CES) は、問題を解決しようとしている顧客が、その問題を解決するのにどれだけの労力を費やさなければならないかを詳細に分析するものです。CES は、多くの場合、NPS や CSAT と併用するか、同じ意味で使われます。

CES とは、基本的に顧客が企業とどのくらい取引しやすいかを測定するものです。企業は、CES サーベイで得られたインサイトを活用することで、ユーザーエクスペリエンスの問題の軽減、セルフサービスオプションの適切なカスタマイズ、改善が必要な領域の特定、カスタマーサービス状況の明確な理解ができます。

顧客離脱率

一部の顧客が離れてしまうのは仕方のないことですが、大半の顧客が離れてしまうのは、より大きな問題の徴候かもしれません。離脱率は、企業が顧客ベースの維持レベルを測定できるという点で、カスタマーサービスにおいて極めて重要な測定基準です。

顧客離脱率では、一定期間内に離脱した顧客の割合に注目します。その結果、カスタマージャーニーの途中で失われた顧客の数を正確に評価できます。このようなインサイトは、ビジネス全体の健全性に不可欠です。また、カスタマーサービスは、顧客離れに影響を与えているサービス関連の問題やサービス以外の問題を理解しておく必要があります。

製品導入率

顧客は突如として現れるものではなく、企業が提供する製品やサービスに魅力を感じて取引をします。製品導入率は、このような事実を考慮に入れた測定基準であり、顧客が新製品のことを知り、購入して使用することを決定した割合を追跡します。

購入率と導入率は、必ずしも一致しないことを認識する必要があります。顧客が製品の購入を選択しても、実際には導入せず、結果として導入率が低くなることがあります。導入率が低いと、顧客ロイヤルティの低下や顧客離れの増加につながりやすくなります。

更新率

サブスクリプションベースの企業 (SaaS ベンダーなど) の場合、更新率の追跡は必要不可欠です。契約の更新は、収益の主要な推進要因であり、製品、営業、サービスの各チームにとって、目標設定の最重要項目でなければなりません。

顧客満足度の向上は、更新率の向上につながり、エンドツーエンドの優れたカスタマーサービスは、長期的な更新を促進できます。

効率性を向上させるための運用 KPI

カスタマーサービス測定基準の多くは、業務効率の向上という付加価値を含んでいますが、運用 KPI は、業務パフォーマンスや費用効率に直接重点を置くものです。これらの測定基準は、運用業務の有効性とビジネスの成功への貢献度を詳細に示すのに役立ちます。

サービスコスト

前述のように、企業のアクションにはコストの投入が伴います。企業は顧客の獲得、サービスの提供、顧客の維持に資金を使います。コストの把握と定量化は、カスタマーサービスのメリットよりコストが上回る可能性がある領域を特定するための重要なステップです。人件費やカスタマーサービスプロセスのコストが上昇しているため、自動化がサービスコスト削減のカギとなる可能性があります。

ケースの件数

顧客からの要求件数を追跡して測定することで、カスタマーサービスの作業負荷を明確に把握し、デマンドへの対応に十分な人員を配置しているかどうかを正確に測定できるだけでなく、その経時的な傾向を示すこともできます。要求件数は、さらに「チャネル別件数」(人員配置や担当業務の範囲を調整できる) と「トピック別件数」(顧客からの問い合わせのタイプを理解できる) に分類できます。

SLA の順守

サービスレベルアグリーメント (SLA) は、ビジネスに期待するサービスを定めるのに使用されます。SLA は、正式な契約上の義務であり、合意したサービスレベルを提供できなければ、罰則や法的措置につながる可能性があります。ただし、非公式な同意事項として、社内で使用される場合もあります。SLA の順守状況を測定することで、マネージャーはチームが最も重要な仕事に優先的に取り組めるようにできます。

MTTR

平均復旧時間 (MTTR) は、サービスの問題解決にかかる平均時間を表したものです。従業員やマネージャーは、サービス関連の傾向に関するインサイトが得られるだけでなく、特定分野の追加トレーニングが必要な個人/チーム/部門を把握し、特定の製品やサービスに根本的な欠陥がないかどうかを知るためのインジケーターとしても重要です。

初回完了率

問題解決のために問い合わせをする顧客は、ある程度の時間や労力を費やすのは仕方がないと思うかもしれませんが、同じ問題を解決するために何度も連絡を取らなければならない状況になると、顧客満足度は大幅に低下します。初回完了率は、カスタマーサービスのケースやフィールドサービスの作業指示のうち、1 回の連絡で解決できる割合を測定するものです。自動化や簡単に利用できるエージェントリソースは、問題を迅速、簡単、効果的に解決するのに役立ちます。

エージェント評価指標

満足度とエンゲージメントの高いエージェントは、優れたカスタマーサービスを提供します。そのため、エージェントの満足度を追跡することは、あらゆる企業においてカスタマーサービスを定量化し、向上させるのに不可欠です。これらの測定基準により、エージェントの有効性に関する詳細なインサイトが得られます。

従業員エンゲージメント

従業員の意識調査やその他のツールを活用して測定する従業員エンゲージメントは、従業員が現在抱えている問題や潜在的な問題を特定して、対処するのに使用する測定基準です。離職率も同様に、エージェントや従業員の満足度を評価する測定基準です。

問い合わせの転送

新しい問い合わせが増えるたびに、企業のリソースに負担がかかるだけでなく、個々のエージェントの仕事量も増えていきます。カスタマーサービス担当者の過重労働は、生産性の低下や離職率の上昇につながります。セルフサービスオプションと自動化を利用して問い合わせに対応することで、顧客満足度が高まるだけでなく、従業員の満足度も向上します。顧客サーベイや社内トラッカーを活用して、問い合わせの転送に関する測定基準を構築することで、マネージャーは顧客自身が質問や懸念の回答を得るのに最適な場所を把握できます。

生産性測定

エージェントの生産性を評価する測定基準には、1 日あたりのケース処理件数、チャットの処理件数、平均処理時間など、さまざまなものがあります。生産性測定基準により、改善が必要な領域を特定できます。また、コーチングやトレーニングの追加が必要な箇所もより明確に把握できます。

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ServiceNow によるより良いカスタマーサービス評価指標と KPI

ServiceNow は、顧客対応の企業に対して、重要なカスタマーサービス測定基準を特定、追跡、改善するためのツールやプロセスを提供します。

ServiceNow Workforce Optimization は、チャネル別に重要な KPI をリアルタイムに可視化し、インタラクションの監視、作業負荷の分散、関連する作業項目の表示を可能にします。仮想エージェントService Catalog は、顧客のセルフサービスオプションを改善し、より多くの問題を迅速に最小限の労力で解決することを可能にします。Process Optimization は、カスタマーサービスのワークフローを主要な KPI に関連付け、エンドツーエンドのプロセスフローを可視化し、非効率性やボトルネックを特定して、KPI パフォーマンスを向上させることができます。Field Service Management は、初回解決の迅速化と効果を促進します。オムニチャネル連携により、顧客が選択するインタラクションの場所や方法に関係なく、関連する測定基準を確実に追跡できます。Agent Workspace は、AI を活用したデスクトップで作業負荷を簡素化し、エージェントの有効性と満足度を高めるのに役立ちます。

また、ServiceNow Performance Analytics には、すぐに利用可能な数多くのダッシュボードが含まれているため、カスタマーサービスのリーダーは、チームのパフォーマンスと KPI を管理して、最適化できます。そして、これらはほんの始まりに過ぎません。

ServiceNow を導入すれば、最も重要な KPI を最大限に活用して、顧客に最適な高いレベルのサービスを提供できます。

カスタマーサービスをスムーズに

成果重視のソリューションこそが、企業の能力をフルに引き出します。

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