ITSM とは?

ITSM では、IT サービスの作成、提供、サポートなど、ビジネス目標を達成するためのエンドツーエンドの IT サービスデリバリの管理について説明します。

ITSM のデモ
ITSM について知っておくべきこと
ITSM と ITIL と DevOps (開発運用) の比較 ITSM が重要な理由 ITSM のメリット ITSM の効率性とは? ITSM プロセスとは? 重要な ITSM フレームワークとは? ITSM の測定基準 ITSM を実装する際の考慮事項 ITSM ソフトウェアとツールを選択する際の重要な考慮事項 ITSM をビジネスタイプや業界に適用する方法 ServiceNow による戦略的投資としての IT Service Management

20 世紀半ば以降、IT サービスはビジネスオペレーションの基本的な側面であり続けてきました。 今日、IT はかつてないほど不可欠な、そしてさらに複雑な存在となっています。 追加されるテクノロジーの統合、安全なリモートワークソリューションへの要請、中断のないサービスの必要性、IT 機能の急速な進化は、すべて前例のない課題をもたらしています。 こうした IT 関連の課題を解決するために、組織は IT Service Management (ITSM) に目を向けています。

ITSM は、エンドツーエンドの IT デリバリを管理するためのアプローチです。 包括的な ITSM は、IT サービスのプロビジョニングにおいて IT チームを支援します。この IT サービスには、計画、設計、構築、実装、展開、改善、さらには顧客、従業員、その他のステークホルダーに対するサポートなど、すべての関連サービスが含まれます。

ITSM の中心となるのは、IT 機能をサービスとして運用するという原則であり、ユーザーのニーズに焦点を当て、テクノロジーシステムを確立された事業達成目標に整合させます。 そのため、ITSM は基本的な IT サポートデスク機能の範囲をはるかに超えています。 実際、ITSM は、基本的機器の構成から計画外のサービス中断やその他の中断イベントの特定と対応まで、社内 IT のあらゆる側面を網羅する必要があります。 IT 情報ライブラリ (ITIL) は、ITSM で使用されている最も一般的なフレームワークの 1 つです。

 

すべて展開 すべて折りたたむ ITSM と ITIL と DevOps (開発運用) の比較

適切な IT フレームワークは IT サービスの効率と活用に大きなプラスの違いをもたらす可能性があり、企業にはさまざまなフレームワークの選択肢があります。 これらのフレームワークの中で最も一般的なものは、ITSM/ITIL と DevOps に関連するものです。

ITSM、ITIL、DevOps は、情報技術分野における 3 つの重要なモデルです。 IT サービスの提供と管理に重点を置くことは共通していますが、原則とプラクティスがそれぞれ異なります。 これらの概念を詳しく見ると、複雑な IT 環境において、これらの概念がどのように相互に作用し、比較し合っているかがわかります。

ITSM

前述のように、ITSM とは、組織内での情報技術の使用方法を設計、提供、管理、改善するための戦略的アプローチのことです。 IT サービスがビジネスニーズに沿っていることを確認し、エンドツーエンドのサービスデリバリのためのさまざまなプラクティスとプロセスを取り入れます。 ITSM とは、IT サービスの設計や展開だけでなく、継続的なライフサイクルに関するものです。 ITSM により、生産性の向上、コストの削減、エンドユーザー満足度の向上が実現します。

ITIL

一般的に ITSM のサブセットと見なされる ITIL フレームワークは、IT サービスを管理するための一連のベストプラクティスガイドラインです。 ITIL は、IT サービスをビジネスニーズに整合させるために必要なツールとテクニックを提供します。 1980 年代に初めて導入されたこのフレームワークは、主要なサービス管理プロセスを説明し、ITSM プラクティスを世界的に標準化するうえで重要な役割を果たしました。 ITIL 4 は最新のイテレーションです。

DevOps

DevOps は、ソフトウェア開発と IT 運用のコラボレーションとコミュニケーションを重視する原則と一連のプラクティスです。 主にサービス管理に重点を置いている ITSM や ITIL とは異なり、DevOps はソフトウェア開発ライフサイクルの短縮と高品質ソフトウェアの継続的デリバリを目指します。そのために開発と運用の機能を統合して、効率性の向上、自動化の促進、チーム間のコラボレーションの強化を実現します。 ITSM とは対照的に見られることもありますが、どちらも IT を企業の目標に一致させることに重点を置いている点、ユーザー中心主義を重視している点、コラボレーションの重要性を認識している点など、共通点があります。

ITSM/ITIL と DevOps は、一方を用いるともう 1 つは使えないものではなく、それぞれの目的や機能があります。組み合わせて使用することで、IT 管理に対するより包括的なアプローチを提供できます。 最先端のチームの多くは、DevOps を ITSM や ITIL と組み合わせて利用しています。

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ITSM が重要な理由

情報技術は今や、組織全体のタスクと責任を網羅し、取り込んでいます。 これらのサービスを管理することは継続的な課題であり、ユーザーは企業がそのタスクに対応できることを期待しています。 企業は ITSM を活用して、日常業務を推進する数え切れないほどのプロセスを効果的に調整すると同時に、そのプロセスが真の価値を提供できるようにしています。

ITSM は、IT サービスのライフサイクル全体を通じて管理とサポートを行うためのポリシーとプロセスの集合体であるため、IT Service Managementは企業の効率性と従業員の生産性を向上させるのに役立ちます。

ITSM のメリット

ITSM は、組織内の IT プロフェッショナルと、IT サービスを必要とするエンドユーザー (社内外) を橋渡しする重要な役割を果たします。 ITSM が提供する適切な構造のアプローチは、企業、IT 部門、個人ユーザーなど、さまざまなステークホルダーに幅広いメリットをもたらします。

企業にとってのメリット

IT サービスと組織の目標の整合性を重視する姿勢を明確にしている企業には、注目すべきメリットがいくつかあります。 その一部をご紹介します。

  • アジリティの向上
    ITSM により、組織は変化に迅速に適応し、イノベーションを受け入れることができます。 柔軟な手法を採用することで、企業は市場の変化や新たな機会に迅速に対応し、競争の一歩先を行くことができます。

  • コストの削減
    ITSM は、ワークフローの可視化を通じて、より効率的な運用を促進し、無駄を最小限に抑え、大幅なコスト削減に貢献します。 プロセスの簡素化、冗長タスクの削減、リソース使用率の向上を実現します。

  • IT の問題の削減と対応の改善
    ITSM 手法は、IT の問題の事前対応型管理を提供し、問題を最小限に抑え、インシデントへの迅速な対応に役立ちます。 これにより、IT 関連の問題にまつわるコストと中断の両方が削減されます。

  • コンプライアンスの容易さ
    ITSM フレームワークは多くの場合、規制要件に沿っており、企業がコンプライアンスを維持するのに役立ちます。 ITSM は、データ保護でも業界固有の規制でも、すべてのプロセスが法的範囲内にあることを保証します。

  • サービスの向上
    ITSM は、ユーザーのニーズに焦点を当て、一貫性のある高品質のサービスを提供することで、エンドユーザーの満足度を高め、評判と顧客ロイヤルティを高めます。

IT 部門にとってのメリット

現代の組織はビジネスのあらゆる側面に情報技術を取り入れていますが、テクノロジーサービスに最も直接的に取り組んでいるのは IT 部門です。 ITSM は、以下を通じて IT プロフェッショナルにメリットをもたらします。

  • 生産性の向上
    ITSM は、信頼性の高いサービスに裏打ちされた IT 目標を組織の目標に沿ったものにします。 この整合により、効率が向上し、問題が減少し、IT 部門の生産性が向上します。

  • ユーザーまたは従業員の満足度の向上
    サービスとしての IT を提供し、ユーザーのニーズを最優先することで、社内外のユーザーの満足度が向上します。 これにより、個々の好みや要件に合わせてよりカスタマイズされたソリューションが実現します。

  • プロセスの拡張性の向上
    ITSM がプロセスの効率性を高めるため、組織は品質を犠牲にすることなく、より重要な IT プロセスと開発を処理できるようにします。 ビジネスの成長に伴い、ITSM は IT プロセスをスムーズに拡張できるようにします。

  • インシデントの検出と対応の迅速化
    ITSM で IT の可視性が向上すると、潜在的な問題をより早く特定し、問題がエスカレーションされる前に迅速に対応できるようになります。 この事前対応型アプローチにより、ダウンタイムと関連コストを最小限に抑えることができます。

ユーザーまたは従業員にとってのメリット

最後に、IT サービスを頼りにしているユーザーにとって、ITSM には多くのメリットがあります。

  • IT サポートの向上
    ITSM は 24 時間体制の IT サポートを提供し、従業員の生産性向上を支援します。 利用可能な IT サービスとその適切な利用状況が明確になることで、ハードルが減り、作業の効率が向上します。

  • オムニチャネルエクスペリエンス
    分散型 ITSM により、従業員は世界中のどこからでも、いつでも、どのデバイスからでも関連情報にアクセスし、サポート要求を行うことができます。 このユビキタス性により、中断のない作業プロセスと利便性の向上が確保されます。

  • ロールと責任の明確化
    ITSM を通じて、チームは特定のタスクの責任者を明確に把握できます。 この明快さにより、説明責任が強化され、全員に情報が提供され、コラボレーションが円滑になります。

  • ビジネス整合性の向上
    ITSM を使用すると、従業員は会社とエンドユーザーが何を必要としているのか、なぜ必要なのかをより明確に把握できます。 この連携により、IT 部門の取り組みが事業達成目標に直接結び付けられ、組織全体の相乗効果が高まります。

ITSM の効率性とは?

IT Service Management を適用することは、効率性と同義です。 IT 管理に対する体系的なアプローチに基づいて構築された ITSM には、IT 運用の全体的な有効性を高める方法がいくつかあり、コスト削減、生産性の向上、リスクの最小化の最適な組み合わせを提供します。 ITSM が組織内の効率をどのように改善するかを、より詳細にご紹介します。

  • 限られた IT リソースの最適な使用
    ITSM は IT サービスの全範囲を網羅し、最も複雑なプロセスや機能も統合します。 この包括的なアプローチにより、リソースを効果的に割り当てて利用できるようになり、無駄を削減し、必要なときに適切なリソースが利用可能であることを確認できます。

  • プロセスワークフローの自動化
    ITSM は自動化により、時間がかかり人的ミスが発生しやすい多くの手動タスクを最小限に抑えます。 ワークフロープロセスを簡素化することで、部門間のコラボレーションが改善され、従業員は日常的なタスクから解放されます。 これにより、戦略的イニシアチブに集中し、カスタマーエンゲージメントに多くの時間を費やすことができます。

  • 時間とコストの節減
    ITSM では、繰り返し発生する問題を特定して排除し、問題解決の迅速化を促進することを重視しています。 これにより、問題の解決にかかる時間を最小限に抑えるだけでなく、具体的なコスト削減にもつながります。 不要な支出を防ぎ、効率を向上させることで、ITSM は収益に直接影響を与えます。

  • ダウンタイムの短縮
    IT 対応と可用性管理に対する ITSM の事前対応型アプローチにより、ダウンタイムが大幅に削減されます。 リソースの整合性は一貫しているため、中断のないビジネスオペレーションを確保し、従業員と顧客の両方の生産性と満足度を向上させます。

  • 予防策とカスタマイズされた対応
    ITSM は潜在的な IT 問題を早期に検出し、問題がエスカレーションされる前に効果的でカスタマイズされた対応を策定できるようにします。 この積極的な姿勢は、リスクを軽減し、IT サービスの整合性と信頼性を維持します。

  • インサイトに富んだレポート
    レポート作成の自動化は、プロセスの費用対効果を高めるだけでなく、正確性と適時性も促進します。 ITSM のインサイトに富んだレポートによって IT 運用の詳細が把握できるため、情報に基づいた意思決定と継続的な改善が可能になります。

  • サービスベースのインシデント管理
    インシデントの可視性を高め、迅速な対応を促進することで、ITSM は潜在的な問題を迅速に特定して対処できるようにします。 このサービスベースのアプローチは、インシデントが重大な問題に発展するのを防ぎ、IT 運用の安定性と効率性を維持します。

  • 重要な IT シナリオに直面した際のレジリエンス
    ITSM は、重大な IT 中断に耐え、迅速に復旧するために必要な戦略とリソースを組織に提供します。 技術的な障害でもサイバーセキュリティ違反でも、ITSM は復旧計画を確実に実施し、迅速に通常の運用に復帰できるようにします。

ITSM プロセスとは?

テクノロジーは IT プロセスにとって不可欠な部分ですが、必ずしも最も重視すべき点ではありません。 ITSM はさらに総合的であり、従来の IT 目標に加えてビジネス目標も含まれるように拡張されています。 その結果、IT Service Managementは全体的なプロセスを改善します。 ITSM は、次の方法でこれを行います。

  • 変更管理
    ITSM の変更管理は、IT システムの優先付け、承認、スケジューリング、実行を適切に行えるように設計されています。 IT の変更は従業員の生産性とエンゲージメントに直接影響を与える可能性があるため、スムーズな移行とビジネスゴールとの整合性を実現するには、必要な文書化、承認、実装の実践が不可欠です。

  • リリース管理
    リリース管理により、ニーズの進化に伴う展開サービスの進化にも確実に対応できます。 ソフトウェアの設計とリリースに関わる開発、テスト、展開、サポートを監督します。 リリース管理では、目標と長期的な戦略計画、そしてそれらの目標を達成するために必要な個々の方策のステップが統合されます。

  • 構成管理
    IT システム内のすべての構成アイテムの追跡に関与する構成管理には、ハードウェア、ソフトウェア、人員、ドキュメントが含まれます。 このプロセスにより、システム情報の信頼性の高いリポジトリが提供され、IT インフラストラクチャシステムとサービスの間に明確な関係が確立されます。これにより、より適切なコントロールが可能になり、IT とビジネスニーズの整合性が確保されます。

  • 継続的改善管理
    ITSM の重要な側面である継続的改善管理には、改善機会の継続的な特定と実装が含まれます。 改善の取り組みと全体的なビジネス戦略を結びつけ、成功を測定し、パフォーマンス目標を追跡します。 このアプローチは、継続的な拡充という文化を育み、進化するビジネス環境に適応し、サービス効率を向上させます。

  • インシデント管理
    ITSM のインシデント管理には、通常の運用を中断させるインシデントの追跡と解決が含まれます。 これらのインシデントには、新しいサービス、ソフトウェア、またはハードウェアの要求が含まれる場合があります。 インシデント管理の主な目標は、通常のサービス運用をできるだけ迅速に復元することです。 ビジネスインパクトに基づいてインシデントとサービス要求に優先順位を付けることで、IT スタッフは最も必要とされる場所にリソースを割り当てることができ、迅速かつ効果的な解決を保証できます。

  • ナレッジ管理
    ITSM のコンテキストでは、ナレッジ管理は組織内でのナレッジの収集、整理、分析、普及を含む重要なプロセスです。 これには、技術仕様やソリューションから、一般的な問題、ベストプラクティス、教訓まで、あらゆるタイプの IT 情報が含まれます。 ナレッジ管理は、適切な情報を適切な人が適切なタイミングで利用できるようにし、トレーニングと能力開発、意思決定、コラボレーションとコミュニケーション、生産性、リスク軽減を改善します。

  • 問題管理
    問題管理は、インシデントの検出から根絶までの調査を簡素化します。 このプロセスでは、問題のコントロール、エラーコントロール、事前対応型問題分析など、ITIL のサブプロセスを利用します。 問題管理は、繰り返し発生するインシデントを排除し、IT インフラストラクチャの欠陥を除去し、環境を安定化して、サービス全体の信頼性を向上させることを目的としています。

  • 要求管理
    要求管理には、パスワードのリセット、新しいワークステーションのインストール、個人情報の更新など、さまざまなサービス要求の処理が含まれます。 これらの要求を簡素化することで、ITSM は不要な遅延なしに重要なアクティビティを継続的に進めることができます。

  • サービスレベル管理
    サービスレベル管理により、組織は顧客 (または従業員) やベンダーとのサービスレベルアグリーメント (SLA) を追跡できます。 弱点を特定することで、管理者は是正措置を講じて合意された基準の順守を促進し、プロセスにおける顧客満足度の向上とベンダーの説明責任の強化ができます。

  • ワークフローと人材の管理
    継続的な成功には、スキルと知識を備えた人材を適切な役割に配置することが不可欠です。 ITSM のワークフローと人材の管理により、従業員は事業達成目標に沿った効果的な役職に配置されます。 このプロセスでは、チームメンバーの独自の才能を活用し、特定のニーズに合わせてカスタマイズされた一流のサービスを提供します。

重要な ITSM フレームワークとは?

IT Service Management フレームワークは、組織内の IT サービスの管理をガイドする構造化されたアプローチです。 このガイドラインでは、一貫性のある高品質の IT サービスを提供するために設計された、標準化されたプロセス、手順、プラクティスのセットを提供します。 理想的には、ITSM フレームワークを遵守することで、ビジネスゴールとの整合性、リソースの最適な利用、継続的な改善が保証されます。ただし、特定のフレームワークが適しているかどうかは組織によって異なります。

さまざまな業界で広く使用されている最も著名な ITSM フレームワークを以下に示します。

ITIL

繰り返しになりますが、ITIL はおそらく最も広く認知されている ITSM 向けフレームワークです。 IT Service Managementのベストプラクティス一式を提供し、IT サービスをビジネスニーズと整合させることに重点を置いています。 ITIL は、サービスライフサイクル全体を定義するモジュラーアプローチを提供します。 インシデント管理、問題管理、変更管理は、最も一般的に採用されている ITIL プラクティスであり、組織はセルフサービスとサービスカタログも頻繁に導入しています。 ITIL プロセスにマッピングされた高パフォーマンスの ITSM サービスは、従業員の満足度と生産性を維持し、ビジネスニーズに対応していることを確認するのに役立ちます。

CMMI

能力成熟度モデル統合 (CMMI) は、製品開発とメンテナンスのベストプラクティスを提供することで、組織がプロセスを改善できるようにします。 CMMI フレームワークは、プロセスの成熟度を評価するのに非常に効果的であり、それによって確実に高品質の最終製品を提供します。 CMMI は、直感性、使いやすさ、柔軟性、方法論全体の統合を目的として設計されています。

シックスシグマ

シックスシグマは、プロセスの改善とオペレーショナルエクセレンスを目的としたデータ主導のアプローチです。 シックスシグマフレームワークの全体的な目標は、欠陥の根本原因を迅速に特定することにより、エラーを完全に排除することです。 シックスシグマは、問題を特定して排除し、ばらつきを減らすことで、IT の品質と効率の両方を向上させます。 シックスシグマの手法には、定義、測定、分析、改善、コントロール (DMAIC) の各フェーズが含まれます。

COBIT

COBIT (Control Objectives for Information and Related Technologies) は、エンタープライズ IT の管理とガバナンスのための包括的なフレームワークです。 IT 目標を戦略的事業達成目標と整合させ、規制コンプライアンスを確保し、IT 投資を最適化することに重点を置いています。 COBIT は、IT におけるガバナンスと管理に関する一連のガイドラインとベストプラクティスを提供します。 ビジネスの規模に関係なく、広くアクセス可能で効果的な COBIT は多くのメリットを提供しますが、おそらく最大のメリットは、他のフレームワークと組み合わせて簡単に使用できることです。

eTOM

Enhanced Telecom Operations Map (eTOM) は、特に通信業界向けにカスタマイズされています。 包括的なビジネス指向のアプローチを提供する eTOM は、共通の言語と標準化されたプロセスを提供し、通信サービスの提供における品質と効率を確保します。

ISO/IEC 20000

ISO/IEC 20000 (British Standards Institution によって開発された以前の BS 15000 フレームワークに基づく) は、ITSM の国際標準です。 これは、サービスプロバイダーがサービス管理システムの計画、策定、実装、運用、監視、レビュー、維持、改善をするための要件の概要を示します。 ISO/IEC 20000 フレームワークは、他の多くのフレームワークとアプローチをサポートしており、品質基準の遵守を確保しながら、サービスデリバリの一貫性と信頼性を最適化します。

TOGAF

The Open Group Architecture Framework (TOGAF) は、組織の IT アーキテクチャ内で設計、計画、実装、ガバナンスを改善することで、効率的な IT 戦略を策定するために使用されるアーキテクチャフレームワークです。 TOGAF は、IT とビジネス戦略の整合性を確立し、ビジネスのさまざまな部門間のコミュニケーションを促進する方法論とリソースセットを導入します。

ITSM の測定基準

IT サービスのパフォーマンス、効率性、有効性を測定するには、測定基準を確立して追跡することが重要です。 測定基準は定量化可能な測定値を提供し、IT チームが改善すべき領域を特定し、データ主導の意思決定を行い、ビジネスゴールとの整合性を確保することを可能にします。 さらに、ステークホルダーに対する説明責任と透明性の維持にも役立ちます。 組織が重視することの多い重要な ITSM 測定基準の一部を次に示します。

  • サービス可用性
    この測定基準は、特定の IT サービスがエンドユーザーに対して利用可能な時間の割合を測定します。 これは、サービスのパフォーマンスがどの程度安定しているかを把握するのに役立ちます。 サービスの可用性が高いと中断が最小限に抑えられ、ユーザーエクスペリエンスと生産性が向上します。
  • 解決までの時間
    解決までの時間とは、問題が報告されてから完全に解決されるまでの平均的な時間を指します。 これはインシデント処理の効率性を測るための重要な指標であり、問題に対する IT チームの対応力を示します。
  • 初回対応解決率
    この測定基準は、サービスデスクとの最初のやり取りで解決されたインシデントまたはサービス要求の割合を数値化します。 初回対応での解決率が高いほど、トラブルシューティングが効果的であり、顧客満足度の向上につながります。
  • エージェントの生産性
    エージェントの生産性は、サービスデスクエージェントがインシデントやサービス要求にどの程度効率的に対応できるかを測定するものです。 エージェントごとに解決されたチケットの数、チケットごとに費やされた時間などの測定基準を含めることができます。 エージェントの生産性を監視することで、ワークフローとリソース割り当てを最適化できます。
  • SLA 違反率
    SLA 違反率は、合意された期間内に解決されなかったインシデントまたは要求の割合です。 この割合を監視することで、契約上の義務の遵守が保証され、対処が必要な可能性がある繰り返し発生する問題を特定するのに役立ちます。
  • ユーザー/顧客満足度
    ユーザーまたは顧客満足度は、サーベイ、フィードバック、その他の手段を通じて得られる主観的な測定値で、エンドユーザーが IT サービスにどの程度満足しているかを把握します。 この測定基準を追跡することで、IT サービスをユーザーの期待に合わせて調整し、必要な改善を行うことができます。
  • NPS
    ネットプロモータースコア (NPS) は顧客ロイヤルティの測定基準であり、顧客が企業の製品やサービスを他者に推薦する可能性を評価します。 総合的な顧客満足度とロイヤルティに関するインサイトを提供し、長期的な成功を示す重要な指標となります。
ITSM を実装する際の考慮事項

IT Service Managementの導入は、組織の IT 部門が機能し、価値を提供する方法を大幅に変えることを意味します。 ただし、これは万能のソリューションではありません。ITSM の導入には慎重な計画が必要であり、会社の仕様と構造を考慮する必要があります。

ITSM ソリューションに本格的に取り組む前に、次の点を考慮してください。

  • ITSM の導入を成功させるには、文化の転換を促進する必要があります。 エンドユーザーは、IT 部門を単なる社内部門ではなく、サービスプロバイダーとして見る必要があります。 このような視点の転換には、サービス指向のマインドセットを育成するためのトレーニング、コミュニケーション、継続的なサポートが必要です。
  • 対処すべき具体的な問題や課題を特定します。 問題ステートメントを作成すると、組織の状態に関する重要な質問に答えることができます。 繰り返し発生する問題はありますか? コスト削減は必要ですか? これらの側面を理解すると、ITSM の導入を実際の組織のニーズに合わせることができるようになります。 ITSM は、こうした懸念に対処する体系的なプロセスと予測可能性を導入できます。
  • ITSM フレームワークにはさまざまなものがあり、適切なフレームワークを選択するかどうかは、組織の具体的な要件と目標によって決まります。ITIL、COBIT、シックスシグマなどは、さまざまな組織のニーズを対象に異なる方法論を提供しています。 最適なフレームワークを慎重に選択することで、問題ステートメントとの整合性が確保され、全体的な戦略目標がサポートされます。
ITSM ソフトウェアとツールを選択する際の重要な考慮事項

適切な IT Service Managementツールは、組織全体でシームレスなサービスを提供する IT 部門を支援するための基本です。 適切なソフトウェアソリューションへの投資は、プロセスの簡素化、コラボレーションの促進、効率の向上に役立ちます。 ITSM ソリューションを検討する際には、次の点に注意してください。

  • セットアップとアクティベーションの簡素化
    機能させることが困難な ITSM ツールは、役に立つどころか障害になる可能性があります。 シンプルで直感的なセットアップとアクティベーションプロセスを提供し、セルフサービスポータルを備え、初期実装を支援するため知識豊富な管理戦略とサービスエージェントによるサポートを受けられるソリューションを探しましょう。
  • 使いやすさ
    ITSM ソリューションは、さまざまな部門で全面的に導入されるように、分かりやすく直感的でなければなりません。 ユーザーが解決策と信頼できる情報を見つけ、発生する可能性のある問題の進捗状況を追跡できるセルフサービスポータルが含まれている必要があります。
  • 柔軟性、適応性、拡張性
    ビジネスは静的ではなく、絶えず成長し変化しており、ITSM ソフトウェアツールはそれに合わせて適応できる必要があります。 新たな成長に対応し、変化する解決策やプロセスに適応し、IT チームやシステムの進化に合わせて一貫して価値を提供できるソリューションを探してください。
  • 強力なコラボレーション
    ITSM では効果的なコラボレーションが不可欠です。効果的な ITSM ソフトウェアソリューションは、部門間の調整とコラボレーションを促進する必要があります。 チームワークを促進し、問題解決時間を短縮するための単一の統合プラットフォームを提供するツールを探してください。
  • ソフトウェアの課題
    ITSM に対するすべてのアプローチが同じではないように、ITSM ツールもそれぞれに異なります。 ソフトウェアの課題と制限を理解することで、組織は十分な情報に基づいた意思決定を下すことができます。 これには、既存のシステムとの互換性、統合、カスタマイズ、将来のアップグレードに関連する問題の認識が含まれます。
  • 総所有コスト
    最終的に最も重要な考慮事項は、通常、ソリューションが収益を改善し、コストを削減し、ビジネスが財務目標を達成できるようにするかどうかです。 購入、実装、メンテナンス、サポート、アップグレードの可能性など、ITSM ソリューションのライフサイクル全体のコストを考慮します。 総所有コストを分析することで、選択したツールが予算の制約に沿っており、良好な投資利益率を実現できることを確認できます。
ITSM をビジネスタイプや業界に適用する方法

IT Service Managementは、特定のビジネスタイプや業界に限定されるものではありません。IT Service Managementに含まれるテクノロジーと同様に、ITSM にはほぼ普遍的な魅力と用途があります。 ITSM は、さまざまな分野の固有のニーズや課題に合わせてカスタマイズできるため、テクノロジーを活用して効率性、イノベーション、顧客満足度を高めることができます。 ここでは、ITSM がさまざまなビジネスタイプや業界にどのように適用されているかについて説明します。

通信、メディア、テクノロジー

通信、メディア、テクノロジー企業は、急速に進化する市場で競争優位性を求めて奮闘する中、卓越したサービスエクスペリエンスを提供しながら、成長する顧客ベースに合わせてサポート業務を拡張することにしばしば苦労しています。 システムインテリジェンスはサイロ化し、サポートチームには過剰な負担がかかっています。 監視対象もツールも多すぎます。複数のアプリケーションや画面を使用しなければならないエージェントはその切り替えだけでも一苦労しています。 通信企業は、レガシープロセスをエンドツーエンドのデジタルワークフローとセルフサービスツールに置き換えることで、コストを削減する必要があります。 重大な問題になる前に潜在的なサービスへの影響を検出するために、運用状態を一目で把握できる必要があります。 また、市場の需要に迅速に適応し、テクノロジーを効率的に提供できるように、アジリティの向上が求められています。

金融サービス機関 (FSI)

世界的に、さまざまな規模や種類の金融機関が ITSM を活用してデジタルトランスフォーメーションをサポートしています。 ITSM により、これらの FSI は、急速に変化するデジタル環境と進化する市場ダイナミクスの課題に対応できます。 これには、イノベーションを活用して競争力を獲得すること、オペレーショナルエクセレンスを確保して従業員エクスペリエンスを向上させることで顧客の期待を上回ること、レジリエンスを構築して顧客の信頼を維持し、評判を守ることが含まれます。 効果的な ITSM は、今日の動きの激しい金融環境における金融機関の包括的なニーズに対応する上で重要な役割を果たします。

製造業

機器が故障したり、データベースが分離されているためにサービス要求に見落としがあっても、納期は待ってくれません。 製造業の顧客は、迅速なケース解決と予定通りに提供されるシームレスなカスタマーエクスペリエンスを期待しています。 ところが部門がサイロ化し、ポイントソリューションが孤立していると、顧客や工場の問題を初回対応で解決するためのエンタープライズレベルのプロセスを構築することはほぼ不可能です。 同時に、人手を要するプロセスでは、内部運用コストが増加するばかりです。 製造業の組織には、信頼性とレジリエンスに優れたイノベーションマシンで成長を実現するエンドツーエンドのビジネスワークフローが必要です。 ITSM により、これらの企業は生産性を向上させ、リスクを軽減し、放置すればポジティブなカスタマーエクスペリエンスの妨げとなるケースを事前に監視して対処できます。 製造業の企業には、顧客が電話をかけずにリアルタイムでステータスの更新を確認でき、カスタマージャーニーにおいてより積極的な役割を果たすことができるセルフサービスツールを備えた ITSM ソリューションが必要です。

医療と生命科学

医療および生命科学分野の組織が発展するには、満足度の高い臨床医と満足度の高い患者が揃う必要があります。 サイロ化した部門、孤立したポイントソリューション、低い運用マージンがそろうと、ケアチームと患者の両方が期待するレベルのサービスを提供するようなエンタープライズレベルのプロセスを構築することが困難になります。 同様に、永続的なコスト抑制の時代において、人手を要するタスクは運用コストをかつてないほど高くしています。 必要なのは、臨床医のオンボーディングや資産管理などの複雑なアクティビティを簡素化するエンドツーエンドのビジネスプロセスです。 ITSM によって、ネットワークに接続された医療機器の稼働を維持する方法がさらに簡単になり、医師が IT の問題に費やす時間を短縮できるツールが提供されているため、患者により多くの時間を割くことができます。

公共部門 – 行政

行政機関は、イノベーションを迅速化し、より良い市民エクスペリエンスを提供するという大きなプレッシャーにさらされています。 とはいえ、レガシーシステムと厳しい予算は、モダナイゼーションに対する深刻な障壁となっています。 職員は所定の手作業に多くの時間を費やしているため、日常業務の増加に対応することが困難になっています。 これらの問題に対処するため、行政機関は、ミッションアプリケーションとビジネスアプリケーションのワークフローを自動化するソリューションを探しています。これは、行政機関が市民や職員のエクスペリエンスをモダナイズし、年間数百万ドルとスタッフの時間を節約できる単一のクラウドプラットフォームです。 ITSM を使用すると、クラウドの力を活用して効率を高めるだけでなく、リスクと脆弱性の継続的な監視と自動修復を通じてコンプライアンス規制を満たすことができます。

ServiceNow ITSM の価格設定 ServiceNow ITSM の価格については、こちらをご覧ください。組織内における IT のインパクト、スピード、デリバリを変革します。 見積もりを依頼
ServiceNow による戦略的投資としての IT Service Management

ServiceNow ITSM は、IT サービスの向上、ユーザー満足度の向上、IT の柔軟性とアジリティの向上を目的としたクラウドベースのプラットフォームです。 ServiceNow IT Service Management を使用すると、レガシーソリューションと IT ツールを統合して、サービスエクスペリエンスの変革、ワークフローの自動化、リアルタイムのデータとサービスの可視性の獲得、生産性の向上を実現できます。

ServiceNow は、デジタルトランスフォーメーションのジャーニーを加速し、ユーザーエクスペリエンスや従業員エクスペリエンスを向上させます。

IT Workflows の詳細 コネクテッドデジタルワークフローで IT の未来を構築します。 シングルプラットフォーム上で IT Workflows を使用して、業務を最新化しビジネスを変革します。 ITSM の詳細 お問い合わせ
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